レビューのお願いに、特典はつけないことにしました
明後日、8月15日にKindleで本を出します。
原稿はもう手を離れていて、昨日が差し替えの期限でした。中身に手は入れられません。
なので今日決めたのは、中身ではなく、頼み方のほうです。
レビューを、どうお願いするか。
結論から書くと、特典はつけないことにしました。
それでも、使わない理由が2つあります
ひとつめ。規約に触れます
対価と引き換えのレビュー依頼は、Amazonの規約違反です。
これは調べればすぐ出てきます。書きにくい話でもないので、そのまま書いておきます。
ただ、正直に言うと、これは2番目の理由です。
ふたつめ。この5年やってきたことと、噛み合いません
こちらが本音です。
対価で集めた星を、自分の実績として数えることになります。
実績を盛って、あとから自分が苦しくなる。これは先週、自分の手でやったばかりでした。
原稿に「月3万円です」と書いていた箇所を、全部書き換えたんです。「良い月で3万円、ならせば月1万円ほど」に。
3万円は最大値であって、常態ではないからです。
書き換えている最中は、かなり嫌な作業でした。誇らしくない数字を、自分の手で確定させる感じがするんですよね。
あれをやった翌週に、星のほうは盛るというのは、さすがに通りません。
数字を小さく直す判断と、星を対価で集める判断は、同じ棚の話です。片方だけ正直にやっても意味がありません。
「合わなかった」でもかまいません、と書きました
本の最後に、1ページだけ足してあります。
本文を全部書き終えたあとに、追加したページです。
そこにこう書きました。
読んでどう感じたか、Amazonのレビューに一言だけ残していただけると助かります。合わなかったという内容でもかまいません。
この後半は、体裁で書いたのではありません。
この本は、朝が向いていない人には向いていない本です。3時に起きろとも、朝型になれとも書いていません。それでも「早起きの本」だと思って開く人はいるはずで、その人にとっては合わない本になります。
合わない人に「合わなかった」と書いてもらったほうが、次に開く人が正しく判断できます。
5年前の自分は、まさにそういう迷い方をしていました。
良い声だけがきれいに並んでいる棚を、いちばん信用していなかったのを覚えています。買ってから「思っていたのと違った」となるのが怖くて、低い評価のほうを先に読んでいました。
あの頃の自分に向けて置くページなので、良い声だけ集める作りにはできませんでした。
星が下がるのは、怖いです
きれいな話にしたくないので、そのまま書いておきます。
星が下がるのは怖いです。かなり怖い。
出す前から、そこは想像がついています。全部が良い評価で並ぶことはありません。
ただ、怖さの中身を分けてみたら、少し形が変わりました。
怖いのは、星が下がること自体ではありませんでした。下がった数字を、人に見られることのほうでした。
これは会社の朝礼で台本を持ったときと、同じ形をしています。
あのとき、紙が手の中でがたがた鳴りました。なぜ緊張するのかを歩きながら分けてみたら、怖いものが3つに分かれたんです。どもること。うまく喋れないこと。指摘を受けること。
前の2つは、原稿を書けば片付きます。
怖さは、分けると小さくなります。
星の話も同じでした。分けてしまえば、盛って買ってもらって、読んだあとに落胆されるほうが、あとに残るものはずっと悪い。そちらのほうが怖い。
そう並べ替えたら、判断は決まりました。
事実と、解釈を分ける
もうひとつ、支えになっている考え方があります。
事実と解釈を分ける、というものです。
たとえば、休憩室で朝起きる時刻の話になったとき、「そんなに早く起きて、何になるの」と言われたことがあります。
その場は笑ってコップを片付けたのですが、家までしっかり持ち帰りました。何日か引きずりました。
いま思うのは、事実は「自分が3時に起きている」の一点だけだということです。
もったいないと言う人もいれば、羨ましいと言う人もいます。返ってくる言葉は、その人がいまどこにいるかを映しているだけで、こちらの事実は動きません。
レビューも同じ形をしていると思っています。
書かれた内容は、その人から見た形です。本の中身のほうは、もう動きません。昨日で確定しました。
動かないものと、動くものを分けておく。
これができていないと、たぶん発売してから毎日Amazonの画面を開くことになります。
10本出して、1本当たれば
有料のものを作っていると、外れます。
野球でも3割打てば一流と言われるくらいなので、10個出して1個当たれば十分だと思うようにしています。
外れた1本は、無駄になったのではなく、確率を回した分です。
ただ、そう思えるようになるまで、自分は3年かかりました。
それまでは、1本外すたびに「向いていない」という判定を出していました。手応えのあった記事ほど反応がなく、埋め草のつもりで書いたものが残る。そういうことが何度も起きて、ようやく「自分には当たりが読めていない」と認めました。
狙って出せるのは、作業の量だけです。
今回の本も同じ扱いにするつもりです。
再現性の話を、正直に
この判断が正解かどうかは、分かりません。
特典をつけたほうが、初速は出ると思います。最初の3件が早く付いて、そのぶん多くの人に届く可能性は、たぶん本当にあります。
それを捨てているという自覚はあります。
なので「特典は絶対にやめたほうがいい」とは書きません。自分にはこのやり方が合っている、というだけの話です。
盛らないと決めておくと、あとで自分の書いたものを読み返すのが怖くなくなります。
自分の場合、続いた理由のかなりの部分がそこにあります。
8月15日に、Kindleで本を出します。8月16日から18日までの3日間は無料にします。
『三日坊主さんの朝活 ── 意志に頼らず続ける、書く習慣のつくり方』です。
今日書いた「事実と解釈を分ける」「10本出して1本当たれば」は、第14章「周りの声との付き合い方」にまとめました。全15章、5年やって良い月で3万円、最初の3年はほとんどゼロという記録です。
Substackの購読者限定チャットでは、公開の場に出す前の判断や、決めきれずに止まっている話のほうを置いています。今日書いたレビューの迷いも、昨日の朝そちらに先に出したものです。
売り込みをする場所ではありません。朝の静かな時間に、同じ方向を向いている人とゆるく繋がれる場所です。
よかったら、覗いてみてください。完全無料で、解除も自由です。
最後に、少しだけ。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
私は特別な才能があるわけではありません。ただ、朝3時という静寂の中で自分と向き合うことで、どん底だった毎日を少しずつ、自分の手に取り戻してきました。
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