朝が変わらなかったのは、朝のせいではありませんでした
昼休みが終わる前に、同じ課の人が画面を覗きに来ました。
「これ、いつの間に作ったんですか」
作業自体は、その日の午前中で終わっていました。
会社の担当は生産管理です。営業が出す受注の通知と、設計が出す図面の通知を、まとめて一覧できる画面を作りました。
それまでは、確認のたびに自分のIDで入り直して、ボタンを何度も押して、ようやく目的の画面にたどり着いていました。何かを見るたびに、それを繰り返していたわけです。
半日でできました。
反応は良かったです。便利になった、助かる、という声をもらいました。
ただ、その日いちばん自分で驚いたのは、そこではありません。
2、3年前の自分なら、これに1週間かかっていたということのほうです。
変わったのは、道具の話だけではありません
もうひとつ、はっきり変わったことがあります。
自分の意見を言えるようになりました。
会社にはいろいろな人がいます。役職を理由に押し通そうとする人、話の筋が追いにくい人、抽象的な言葉ばかりの人、大げさに言う人。
そういう場で「つまりこういうことですね」と整理する。
この力は、会社で身についたものではありません。副業のほうで鍛えられました。
副業は、作って終わりではないからです。どうやって届けるか、どうやって選んでもらうかまで考えることになります。
伝わらなければ、何も起きない。
これ以上ないくらい分かりやすい場所です。そこで文章を書き続けていると、伝える部分が嫌でも鍛えられます。そしてそれは、会議室でもそのまま使えました。
以前の自分は、朝礼で報告する順番が回ってくるだけで気が重くなる人間でした。
時間は、朝から生まれたわけではありません
ここからが、たぶん本題です。
朝の時間をどこから持ってきたのか、という話です。
早起きしようとしていた時期、自分は朝のほうばかりいじっていました。目覚ましを増やす。寝る前に決意する。翌朝の自分に期待する。
全部だめでした。
作業の時間をどこから持ってくるかを本気で数えたとき、いちばん大きな候補は、朝ではありませんでした。
残業時間でした。
残業を1時間減らすと、早く寝られます。早く寝られると、翌朝の中身が変わります。それだけの話でした。
朝が変わらなかったのは、朝のせいではありません。その手前を放置していたからです。
夜を触らずに朝だけ変えようとしていた数年間は、いま思えば、いちばん報われない努力をしていた時期でした。
いちばん効いたのは、終わりの時刻を先に決めたこと
やったことは、特別なことではありません。
- 朝のうちに、その日やることを決めておく
- 人に頼む必要があるものを、先に回す
- 夕方から始めると終わらない作業は、翌朝に送る
これだけです。
そのなかでいちばん効いたのは、終わりの時刻を先に決めたことでした。
何時までと決めていない日は、いくらでも伸びます。決めた日は、不思議と収まります。
もちろん、決めた時刻に帰れない日もあります。それは仕方がありません。翌朝の分を減らして帳尻を合わせます。
毎日きっちり守ることは、最初から条件にしていません。条件にすると、守れなかった日にやめたくなるからです。
早く帰るようになってから、見えたこと
早く帰るようになると、空いた時間で何をするかを、自分で考えるようになります。
そして、周りを見渡して気づいたことがあります。
やることがある人は早く帰り、やることがない人が遅くまで残っている。
用事がないのに残っている時間は、あまり戻ってきません。時間は、意識しないと静かに減っていきます。
これは他人の話として書いているのではありません。自分が何年も、そちら側にいました。
帰っても特にやることがなく、帰るきっかけもないので、なんとなく席にいる。あの時間の合計を計算したことは、いまだにありません。怖いのでやっていません。
点になるのは、やったことだけです
点と点はあとからつながる、という話があります。
そのときは意味の分からなかった経験が、後になって線になる、という話です。
自分にも、そう思える場面がありました。2年ほど前に、ウェブサイトの見た目を作る部分の基礎を少しだけ触ったことがあります。当時、それが何の役に立つのかは分かっていませんでした。
いまは、AIに直しを頼むときの言葉として効いています。
「うまく動きません」としか言えなければ、直しようがありません。どの部分をどう変えてほしいかを伝えられるかどうかで、返ってくるものが変わります。
ただ、この話には条件がひとつあると思っています。
点になるのは、やったことだけです。知ったことは点になりません。
読んだだけの知識は、いざというときに何ひとつ出てきませんでした。自分で書いて、動かなくて、原因を探して、直した。その経験だけが残っています。
だから、役に立つかどうかを事前に考えるのはやめました。考えても分からないからです。分からないものを判定しようとすると、手が止まります。
辞めるための準備ではありません
副業をして、いずれ独立を、という話をよく聞きます。
自分は今のところ、独立を目指していません。
副業は、辞めるための準備ではなく、辞めなくてもいい状態を作るための準備だと思っています。
副業の収入は、良い月で3万円、ならせば月1万円ほどです。生活を支えられる額ではありません。
それでも、会社の外にも入り口があるという事実そのものが、支えになっています。
以前は、上司から強い言い方をされた日は、帰りの車の中でその場面をずっと再生していました。家に着いても引きずって、翌朝まで残っていました。
いまは、その日のうちに終わります。
月1万円ほどの小さな入り口でも、外につながっている線が1本あるだけで、同じ一言の重さが変わりました。
選べる状態にあること自体に、値打ちがあります。選べるなら、いま会社にいるのは、仕方なくいるのではなく、選んでいることになります。
同じ場所にいても、この2つはまったく違います。
明日8月15日に、Kindleで本を出します。『三日坊主さんの朝活 ── 意志に頼らず続ける、書く習慣のつくり方』です。8月16日から18日までの3日間は無料にします。
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最後に、少しだけ。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
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