自分の実績を、自分の手で3分の1に書き直しました
朝3時。
原稿の修正履歴を開いています。
昨日は、校正で見つかった数字の食い違い7件を並べました。そのうちの③について、今日は1本かけて書きます。
「月3万円です」と書いていた箇所を、全部書き換えた話です。
誰にも指摘されていません。自分で見つけて、自分で直しました。
気づいたのは、突き合わせの作業中でした
きっかけは、原稿を全部書き終えたあとにやった照合の作業です。
内容の良し悪しを見る作業ではありません。同じ物事について、章をまたいで違う数字を書いていないかを機械的に照らし合わせるだけの、地味な作業です。
そこで、ある章に「月3万円」、別の章に「良い月で3万円」と書いてあるのを見つけました。
両方、自分が書いています。
記録に当たると、後者が正しい。
このとき初めて、自分がこの数字をどう扱ってきたかを考えました。
直すのが、けっこう嫌でした
正直に書きます。
この修正は、あまり気持ちのいい作業ではありませんでした。
自分の実績を、自分の手で3分の1に書き直す作業だからです。
しかも、誰にも指摘されていません。原稿はまだ誰の目にも触れていない状態でした。
黙っていれば、「月3万円の人」のままでいられました。
手が止まったのは、1行目を直すときでした。
そこから先は、作業でした。一度直すと決めてしまえば、残りは検索して置き換えるだけです。
嫌だったのは、修正そのものではなく、修正すると決める一瞬のほうでした。
直したあとで気づいたこと
書き換え終わってから、思ったことがあります。
「良い月で3万円、ならせば月1万円」のほうが、読む人にとって役に立つんですよね。
「月3万円」と言われたら、そこに届かなかった人は、自分が失敗したと思います。
でも「良い月で3万円」と言われれば、千円しか出なかった月があることまで一緒に伝わります。
上振れした月も、沈んだ月も、含めて5年です。
そして、これがいちばん大事なところなのですが。
自分が5年で覚えたのは、良い月の作り方ではありません。
悪い月に辞めない方法のほうです。
3ヶ月何も起きなくても、翌月に何か出るかもしれないから続ける。そういう待ち方の話です。
なのに、良い月の数字だけを看板に掲げていました。
それでは、いちばん伝えたいことが伝わりません。
看板からも、数字を降ろしました
もうひとつ、白状しておきます。
この本の最初のタイトルには、金額が入っていました。
『朝3時起きで月3万円』です。数字が看板でした。
いまの書名は『三日坊主さんの朝活 ── 意志に頼らず続ける、書く習慣のつくり方』です。
金額は、入っていません。看板から降ろしました。
降ろした理由は、本文を直したのと同じです。
金額に惹かれて手に取ってくれた人に、自分が渡せるものがほとんどないからです。
渡せるのは、稼げなかった3年をどう過ごしたかの記録だけです。それを月3万円という看板で釣るのは、看板と中身が合っていません。
合っていない看板は、いちばん読んでほしい人に届かない。届くのは、金額を見に来た人だけです。
盛った数字は、あとで自分を縛る
これは書きながら気づいたことなのですが。
盛った数字が厄介なのは、その場で嘘になるからではありません。
そのあとずっと、盛った自分に合わせて喋り続けないといけなくなるからです。
一度「月3万円です」と外に出すと、次に本当の数字を出したとき、落ちたように見えます。
落ちていないのに、です。最初から1万円だったのに、下がったことになってしまう。
自分で自分の下限を上げてしまうわけです。
5年やってみて思うのは、安く見える数字のほうが、あとが楽だということでした。
手順にしないと、たぶんまた同じことをします
最後に、実務的な話をひとつ。
今回のことで分かったのは、気をつけるという対策は効かないということでした。
数字がずれる向きは、毎回同じでした。自分が実際より大きく見えるほうです。
収入は良かった月を、続けた年数は長いほうを、払った金額は少ないほうを覚えていました。
都合の悪い数字は疑うのに、都合の良い数字は一度も疑いませんでした。
これは意識では直りません。なので、手順を入れました。
出す前に、数字だけを抜き出して縦に並べる。
文章として読むと気づけません。数字だけ並べると、合っていないところが目で分かります。
読み返すのと、照らし合わせるのは、別の作業でした。
8月15日にKindleで本を出します。それまでの途中経過を、毎朝そのまま出しています。
明日は、目次を先に公開します。全15章に、扱っている時間が「浪費」「消費」「投資」のどれかを振ってあります。第1章はいきなり浪費から始まります。
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最後に、少しだけ。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
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