削ったつもりで、1字も削っていませんでした
朝3時。
パソコンを開いて、今日書く分の下調べをしていました。
昨日みなさんに選んでもらった表紙の文字サイズは、Bでした。1割大きいほうです。もう反映して、書き出しも終わりました。これで表紙は確定です。あとは8月12日に申請ボタンを押すだけになりました。
気持ちよく次の話題に移るはずでした。
今日書こうと思っていたのは、「初稿7万3千字を、2万6千字まで削った話」です。4万7千字捨てました、という話。数字が大きいので、そこそこ読まれるだろうと思っていました。
念のため、初稿の字数をもう一度数えました。
2万6千字でした。
削っていないどころか、増えていました
もっと悪いことに気づきました。
いまの原稿を全部足すと、2万7千字ほどあります。
初稿が2万6千字。最終稿が2万7千字。
削るどころか、少し増えていました。
「4万7千字を捨てました」と、私は書いていました。8月1日のポストにも書きましたし、8月2日にお送りしたメールにも書きました。もう外に出ています。
読んでくださった方は、7万字の原稿を血を流しながら削り込んだ人の話として、あれを読んだはずです。
そんな事実はありませんでした。
いちばん嫌だったのは、数字を疑わなかったことです
間違えたこと自体は、正直、それほど堪えていません。
堪えたのは、あの数字を一度も疑わなかったことです。
7万3千字と出たとき、私は「そうか、けっこう書いたな」と思っただけでした。1日3千字書いても25日かかる量です。自分がそんなに書いた覚えがあるかどうか、考えれば分かったはずでした。
考えませんでした。
理由は、はっきりしています。その数字が、自分に都合が良かったからです。
7万字書いて2万6千字まで削った人のほうが、2万6千字書いて2万7千字になった人より、格好がつきます。だから確かめなかった。
自分に不利な数字は何度も見直すのに、自分に有利な数字は一度で信じる。これをやっていました。
明日書こうと思っている話が、まさにこれです。校正のときに、自分の書いた数字の食い違いが5件見つかった話。固定費を「毎月15,000円」と書いていて、内訳を足したら13,000円だった、というような。
その話をする前日に、同じことをもう一度やっていたわけです。
それでも、これを書いています
黙っていれば、たぶん誰も気づきませんでした。
初稿の中身は外に出していません。字数を確かめる方法が、読んでくださっている方にはありません。
でも、この本は「うまくいった人が書いた本」ではありません。何度も失敗した人が、そのまま書いた本です。表紙を7案作って6案捨てた話も、Amazonの棚を35点数えて自分の案が埋もれると分かった話も、全部そのまま出してきました。
そこで数字だけを黙っておくのは、筋が通りません。
なので、直します。
- 8月1日と2日に出した「初稿7万3千字」は間違いです。正しくは約2万6千字でした
- 「4万7千字を削った」も間違いです。分量はほとんど変わっていません
- Amazonに登録する説明文にも同じ数字を書いていたので、申請前に差し替えます
では、あの数ヶ月は何をしていたのか
ひとつだけ、書き添えたいことがあります。
分量が変わっていないからといって、何もしていなかったわけではありません。
初稿と最終稿を並べると、中身はほとんど入れ替わっています。
章の順番を組み替えました。1章目にあった教材費の一覧表は、6章目に移しました。最初の章は、数字から入るのをやめて、朝スマホを握りしめていた頃の情景から始める形に書き直しました。
つまり、やっていたのは削る作業ではなく、並べ替える作業でした。
これは、私がこの5年でやってきたことと、たぶん同じ形をしています。
朝の時間を作るとき、私は新しいことを足したのではありませんでした。夜にやっていたことを朝に移しただけです。総量は増えていません。順番を変えただけです。
それでも結果は変わりました。
原稿も同じでした。長さは変わらないのに、読めるようになった。減らしたのではなく、置き場所を変えただけです。
削った話より、こちらのほうが本当だし、たぶん役に立ちます。
大きい数字のほうが目を引くからと、私はそちらを選ぼうとしていました。数字を確かめなかったのは、その気持ちがあったからです。
危ないところでした。
8月15日にKindleで本を出します。それまでの途中経過を、毎朝そのまま出しています。
決まったことだけでなく、間違えたところも含めて全部書いています。今日みたいな日は、正直あまり書きたくありません。それでも書いたほうが、あとで自分が楽になることを知っています。
Substackの購読者限定チャットでは、ここに書いていないことを先に置いています。今朝は、明日公開する「校正で見つかった食い違い5件」の中身を、先にそのまま出しました。ここにいると、公開で読むより数日早く見えます。
売り込みをする場所ではありません。朝の静かな時間に、同じ方向を向いている人とゆるく繋がれる場所です。
よかったら、覗いてみてください。完全無料で、解除も自由です。
最後に、少しだけ。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
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The line that stayed with me was that the number went unquestioned because it was convenient. That feels bigger than a word-count mistake. We often recheck the facts that disappoint us, while accepting the ones that make us look better. Correcting it publicly gives the whole project more credibility than the larger number ever could.